ロンドン・オリンピック回顧③ 一所懸命

オリンピックは4年に一度のスポーツの祭典!

競技によって選手寿命は違いますし、ましてやピークの年齢も違うでしょう。それでも、選ばれし者たちは、その舞台に最高の成績をおさめられるように全力を傾注し、勝利の栄光を目指します。

ロンドンにピークを合わせて戦う選手は、まさに「一所懸命」です。

他のどこでもない、ロンドンで自己最高を目指します。

でも、テレビの字幕や新聞・雑誌の活字では「一生懸命」と書いてあります。選手が、「いっしょけんめい」と発言していてもです。

 

言葉は時代の流れとともに変わっていきます。

でも、それぞれの人に大切にしたい言葉もあるはずです。

私は「一所懸命」という言葉が好きです。「一生懸命」と今風に言うのは肌に合いません。そうすると、とても窮屈な昨今です。

 

言葉のルーツは諸説あるようですが、私は「一所懸命」に「ひたすら」という言葉が寄り添うような気がしています。

私に座禅を教えてくれた柔道の大家の先生は、「昔のことをいくら思っても変えることはできない。将来のことはいくら考えてもわからなくて取り越し苦労になる。ただ今をひたすら生きるだけ」という趣旨のお話をされました。座禅の「呼吸三昧」というのも、ここからきているそうです。

 

ほとんどのスポーツにおいて、選手でいる時間よりも、そうではない時間の方が長いと思います。そうでない時間に指導者として活躍する人もいれば、まったく別の世界で活躍する人もいるでしょう。

限られた選手生命のピークをオリンピックに合わせられた人は幸せです。

柔道に最初に出てきた女性選手は、さまざまな理由で「ピークを合わせる」ことを邪魔され続けてきたと思っています。その一所懸命な姿は潔かったですけれど、やっぱり残念でした。

ボクシングで金メダルを取った選手は、プロにはならずに、当面は休養すると言っています。一所懸命に金メダルをとって、すがすがしい判断です。

 

それぞれの選手の一所懸命な姿に感動したオリンピックでした。

ありがとうございました。