花粉症は全身の病態です! ②

それまでは単なる異物であったスギ花粉でした。それが、ある年のある日に、身体が突然にスギ花粉を攻撃対象として対応し始めます。結果として、目や鼻の症状が... さて、どうやって落ち着かせましょうか?

花粉症が、そのような身体の「攻撃過剰状態」にあるので、「そんなに攻撃しなくてもいいよ」、とか「そんなにスギ花粉に敏感にならなくてもいいよ」といったお薬を昔から使っていました。

かつては、その際の「眠気」という副作用が問題でした。やはり、スギ花粉に警戒心たっぷりの身体を鎮静化すると、全身の普通の状態まで静かにしてしまい、眠くなるのが常でした。

最近は、眠気の副作用が少ないお薬が多数(多種)出ています。それでも、それぞれの方と薬の相性はさまざまですので、最初は様子を見ながら処方していきます。そして、副作用もなく、十分な効果があることが確認できれば長期処方に移行していきます。

時に、ベースとなる内服薬に加えて、点鼻薬や点眼薬も使用します。

お仕事の都合で鼻汁に敏感な方には、液体タイプではない粉末タイプの点鼻薬をお勧めしたりします。

含水性コンタクトレンズを使用されている方には、その場合でも使用できる点眼薬を使ったり、時には、夜にコンタクトレンズを外した後にはこちらの点眼薬を使ってくださいと処方します。

花粉症の治療は、オーダーメイドであるべきです。

 

かつては処方箋がないと使用できなかった医薬品が、OTC(一般市販薬)として購入して使用できたりします。

それで、副作用もなく効果が十分であれば、特に問題はありません。

ただ、花粉症は健康保険で治療できる、「れっきとした病気」です。一シーズンを考えると、薬屋さんで自分で薬を買うよりも、医療機関を受診して処方を受けての治療(3割負担)の方が、単純な自己負担費用としては低くてすむことはご了解ください。