インフォームドコンセント

カタカナで書くと難しいようですけど、要するに必要な情報をしっかりと伝えることです。私は、患者さんに必要な事項をしっかりとご説明するように心がけているつもりです。

 

昨日、とある郵便局でのできごとです。

三男に学資保険をかけていましたが、15歳の誕生日が過ぎたので「生存保険金(一時金)」がもらえるとのこと。保険証書と私自身の運転免許証(身分証明書)をもって近所の郵便局に出かけました。

手続きをしていると、「三男の性別と生年月日がわかる書類を出せ」とのこと。その理由を尋ねると、「規則ですから」としか言わない。健康保険証か何かがないと、一時金は支払えないとのこと。私は、まったく訳がわからなくなりました。

 

三男の入っている保険で、契約者である私の氏名や生年月日・性別はもちろんのこと、被保険者である三男の氏名・生年月日・性別も保険証書にしっかりと記述されています。

そして、12歳の誕生日と15歳の誕生日の際に一時金が支払われることも記載されています。

あげくは郵便局の課長という人が出てきて「三男の性別と生年月日が書かれた書類がないと支払えません」と断言するので、私は、「それでは、この保険そのものが成立していないということですか?」と更に問いましたが、「契約時にお子さんの性別と生年月日を確認していませんから」とか「規則は、私には変えられません」と言うばかりで、「なぜ、保険証書に明記されている性別と生年月日を示す書類が、別に必要なのか」という質問には誰も答えてくれませんでした。

最初に対応した妙齢のご婦人は、「お子さんの健康保険証も添えてくれれば、全国どこの郵便局でも手続きできますから」と言うものだから、「ここには来るなと言うことですか!?」と喉まで出かかった言葉を飲み込みつつも、だんだんと私の語気は荒くなってしまいました。

で、結局、何の説明もないまま「規則ですから」と追い返されるところへ、「ありがとうございました」と声をかけられて、「ありがとうじゃないだろう!!」と切れてしまいました。

 

気を取り直して、少し遠くの郵便局に出かけ直すと、三男の健康保険証を見て、保険証書の裏書欄に「性別・生年月日を確認した」というスタンプを押した上に、押印までしていました。その時に気づいたのは、実は12歳でも一時金をもらっていたので、2回目の「性別・生年月日を確認した」という証明です。

最初の郵便局の課長さんの「契約の時には確認していませんから」という説明が、まったく中身のない間違いであることがわかります。

一時金を受け取る人間が違っているのは問題ですから、契約者の本人確認は必要でしょう。しかし、それ以上の証明が必要な理由がいまだに理解できません。

 

郵政民営化という掛け声で都市部でのサービスは向上したかのような錯覚がありましたが、自分の行っている業務の意味も理解できておらず、正しい説明をすることもできない... 結局はお役所仕事の体質は変わっていないことを実感した不愉快な日でした。

 

 

医療を必要としてエミング千駄木クリニックに来ていただける方には、少なくとも不愉快な思いはしていただきたくありません。「ダイヤモンド・愉快」レベルまでは自信がありませんが、それぞれの方に必要な情報を、正しくご説明することだけは貫いていきたいと思っております。

 

クリニックの公式ブログで、あまり否定的な話は書かないようにしていましたが、昨日の経験を怒りに終わらせることなく、自分で活かすべきと考え、あえて文章にした次第です。